"
個人の成績に基づいて給料を決めるという事は、従業員を競争させたら、皆一生懸命働き、組織としての生産性は向上するはずであるという前提に基づいている。
しかしながら、80年代に国家的破綻に直面していた米国を再生させ、国際競争力を世界一に押し上げたデミンググループは、80年代の終わりに既に個人の業績は測れないという結論を出した。
デミング博士はじめ、デミンググループの指導者の多くは統計学者である。つまり、測るという事を専門とした世界最高峰の人たちである。その人達が、成果の80%は皆がかかわり合った結果であって、環境から独立した個々の人間の成果として判別できるのはごく一部であるという結論に達したのである。
人間を評価するという事は、非常に多くの場合において相対評価の形をとらざるを得ない。なぜなら、ほとんどすべての人はお互いに異なる仕事をしていて、同じ状況下で全く同じ仕事をするという事は極めて少ないので、何か絶対的尺度があって業績を図るという事がほとんどの場合において不可能に近いからだ。
"